こんにちは!!
まだまだ梅雨は明けず夏の蒸し暑い日々が続いていますが、研究室では先日夏季見学会へ行ってきました!
今回の舞台は丹後地方で、珍しく車に乗って現地を巡りました。朝のうちは小雨が降る中でしたが次第に回復していき、快晴の中での見学会となりました。
丹後地方は弥生時代からの遺跡が豊富で、特に弥生墳丘墓が有名ですがその他にも古墳も多く、日本海側では有数の古墳も数多くあります。
これらは古墳の成立を考える上で非常に重要な遺跡、古墳ばかりなので、今回の見学会ではそのような面をしっかりと見て、様々なことを考えれたらと思い丹後地方に決定しました。
見学した場所が多いので一部紹介したいと思います。
弥生墳丘墓、墳墓群で見学したのは、大風呂南墳墓群、日吉ヶ丘遺跡、赤坂今井墳丘墓です。
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山の上に大風呂南墳墓群がある |
大風呂南墳墓群の1号墓からは全国でも数例しか確認されていないガラス釧がほとんど風化を受けていない状態で出土し、同じく数例しかない銅釧も出土しています。
残念ながら、墳墓は見学する時間がなく下から位置を確認して説明を聞いただけでしたが、それでも説明だけで重要な墳墓であるとわかりました。
2つ目の日吉ヶ丘遺跡は、日本で最大級の弥生墳丘墓で、方形貼石墓の遺構は発掘後に埋め戻されて更地になっており、説明板が設置されていました。ここからは600点を越える玉類が出土しており、 非常に高い権力を持った人物が葬られていたと考えられています。
研究室員は先生の詳しい説明を熱心に聞いていました。また、日本最大級の大きさを肌に感じることができ、どのような遺跡だったかを考えることができました。
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先生の説明を聞く研究室員 | |
3つ目の赤坂今井墳丘墓は、1つの墳丘墓に埋葬施設が25基以上もありその規模には驚きました。その中の第4埋葬施設からは朱の塗付がされている舟底状木棺の痕から当時の埋葬の状態で頭飾りや耳飾りが出土しました。その復元されたものを古代の里資料館で見ることができ、当時の工人の技術の高さを感じることができました。
遺跡見学の合間に丹後郷土資料館を訪れました。丹後国分寺跡に建てられた資料館で、そこでは先生の知り合いで学芸員の長谷川さんに急でしたが資料館を案内していただきました。
次に古墳ですが見学したものは多くあるので、一部を紹介します。
まず、1つ目は与謝野町古墳公園です。公園内に蛭子山古墳群と作山古墳群、はにわ館があります。
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石棺前で話を聞く研究室員 |
蛭子山古墳群は1~3号墳が残っており、1号墳には後円部には船形石棺が安置されていて、研究室生は石棺の前で熱心に先生の説明を聞いて、石棺に見入っていました。
説明を熱心に聞いていたため、石棺の写真を撮り忘れてしまいました・・・。
1~3号墳を順番に見学し、隣にある作山古墳群に向かいました。
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作山2号墳 |
同じく公園内にある作山古墳は1~5号墳がきれいに整備されており、墳丘には復元された円筒埴輪が並べられていました。整備された石室も見る事ができ、当時の埋葬の様子などをみることができました。
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展示されている埴輪 |
また、付属しているはにわ館では蛭子山古墳、作山古墳などから出土した多数の埴輪や鉄製品などを見ることができ、日吉ヶ丘遺跡から出土した玉類の一部も実際に見ることができました。
2つ目の網野銚子山古墳は、全長が198mもあり、丹後地方を代表する前方後円墳です。埋葬施設は未発掘ですが外表施設として葺石や丹後型と言われるこの地方独自の円筒埴輪が確認されています。
そして、ちょうどいい長さと傾斜があったため、恒例のかけっこをしてしまいました。(笑)
ここまでくると1回生には疲れた表情が見え始めていました・・・。
しかし!! 網野銚子山古墳の後円部はすごく広く拓けていて海も見えたので若干リフレッシュができたみたいでした。
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神明山古墳の上で記念撮影 |
3つ目の神明山古墳は、詳しい調査が行なわれていないので詳細はわかりませんが、網野銚子山古墳同様に全長が190m以上もあり、その大きさに驚きました。出土遺物に少量の埴輪が確認されており、また中世には墳丘上に経塚が作られていました。
この見学会で「日本海三大古墳」と呼ばれる
蛭子山1号墳、網野銚子山古墳、神明山古墳の巨大古墳を見学することができました。こんなに巨大な古墳を同時に見学する機会はめったにないので貴重な体験になったと思います。
日本海が見渡せる崖の上に築かれた枡塚古墳では、その立地の良さを肌で感じる事ができました。
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枡塚古墳墳丘上で |
その他にも、産土山古墳、黒部銚子山古墳、ニゴレ古墳、大田南古墳群、白米山古墳と多くの古墳を見学し、夏季見学会は終了しました。
今回は、見て回る遺跡、古墳も多くなかなかハードな見学会でしたが、これを通して1回生がさらに考古学に興味をもってもらえたら嬉しいです。また上回生の今後の研究に役に立てばと思います。
とみー