こんばんは!
投稿が遅くなりましたが9月2~4日の間、富山県、岐阜県、石川県に行ってきました!その時の様子を報告します!三日間ということなので、内容が長くなってしまいますがあしからず。
さて、1日目は富山県の遺跡を見学したり、越中八尾おわらの風の盆を見ました。
遺跡では富山市北代縄文広場に行き、史跡である北代遺跡を訪れました。北代遺跡は約4000年前の大集落跡で、竪穴建物跡78棟と高床建物跡4棟が発掘調査で確認されています。縄文時代中期頃を中心に営まれた大集落ですが、旧石器~平安時代の出土遺物や、奈良~平安時代の竪穴建物跡、高床建物跡、鍛冶遺構が見つかっており、何度も集落がこの地に作られていたことが調査で分かっているそうです。現在は広場と北代縄文館があり、地域の人たちの交流・学習の場として使われています。
広場には、竪穴建物5棟と高床建物1棟 が復元されていました。竪穴建物は、木で組み立てた家の上に土をかぶせてあることがこの遺跡で初めて分かったそうです。高床建物も作物を蓄える倉庫としてではなく、祭祀用に使われていたのではないかという説が出てきているようです。
北代縄文館の展示室には遺跡で出土した遺物や竪穴建物の復元が展示されています。独特な飾りの土器、ヒスイの大珠など北陸地方で見られるような特徴のある遺物が見られました。
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竪穴住居 |
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高床建物 |
夕方からは、9月1日~3日まで開催されている越中八尾おわらの風の盆を見に行きました。おわら風の盆は旧町と呼ばれる「東新町、西新町、諏訪町、上新町、鏡町、東町、西町、今町、下新町、天満町」と井田川をいはさんだ対岸の「福島」を併せた合計11の町で行なわれていました。300年の歴史を持つ叙情豊かで気品の高い優雅な唄と踊りでした。
古い町並みも幻想的で素敵でしたが、胡弓や唄、踊りも優雅で見入ってしまいました。大人の踊りはもちろん、子どもたちの踊りも大人に負けないくらい魅力のある踊りでした。私の地元では地域の人が輪になって踊るということがないので、大人から子どもまで自分達の踊りや唄の伝統を引き継いでいることがすごく羨ましいなと思いました。またおわら風の盆を見たいと思いました!
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おわら風の盆 |
2日目は岐阜県の飛騨市、白川郷周辺、富山県の五箇山・相倉の合掌造りの家などを見てきました。
飛騨市では飛騨みやがわ考古民俗館に訪れました。飛騨で昔から使われている民具や考古資料が数多く展示されていました。
考古学の展示室には、宮川町内の発掘調査で出土した、旧石器~縄文時代の石器や土器などが収蔵展示されています。収蔵点数40000点以上あるうちの1845点が県の文化財に指定されています。ここの展示資料でも縄文時代のものが多く展示されていました。石棒作りの行程が分かる出土遺物や中部地方らしい文様の土器がズラッと並べられていました。
数多い展示の中で私が興味を持ったものは、動物意匠文土器です。動物が乗っている埴輪は近畿地方でも見られますが、動物の顔のようなものが文様として付けられている土器は初めて見ました。ねずみのようなこうもりのような不思議な顔の飾りが、なぜ付けられたのか不思議だなと思いました。
次に白川郷の周辺や富山の五箇山・相倉の合掌造りの家を見てきました。いずれの地域も豪雪地帯のため茅葺屋根の急な斜面を持つ大きな屋根のある合掌作りの家が生まれました。現在もこれらの地域には合掌作りの集落が残り、白川郷・五箇山の合掌造り集落は世界遺産、その中の五箇山・相倉集落は国の史跡に登録されています。切り妻造りの茅葺屋根の家は、昔ながらで懐かしい雰囲気が感じられました。
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白川郷 合掌造り集落 |
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五箇山・相倉 合掌造り集落 |
3日目は石川県の秋常山古墳群と能美市立博物館に行きました。
秋常山古墳群は、前方後円墳の1号墳と方墳の2号墳からなる古墳群です。
1号墳は全長140mの前方後円墳で、石川県のみならず、北陸でも最大の古墳です。4世紀後半頃築造された古墳だと考えられています。2号墳は一辺約30mの方墳で、5世紀後半頃築造されたと考えられています。埴輪やさまざまな副葬品が出土しています。石室の復元展示がされていて、刀や櫛などの副葬品がどのように出土したかが分かるようになっています。
秋常山古墳群は加賀の古墳時代を知る上で重要な遺跡として国史跡に指定されています。 今は復元整備され、公園として活用されています。
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秋常山1号墳 |
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秋常山2号墳 |
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次に能美市立博物館を訪れました。この博物館は能美市古墳群から出土した遺物を展示している博物館です。
能美古墳群は、能美市の平野部に島状に浮かぶ、5つの独立丘陵上に分布する古墳の集まりです。寺井山古墳群、和田山古墳群、末寺山古墳群、秋常山古墳群、西山古墳群と各丘陵に名称を付け、全体を能美古墳群と総称しているそうです。能美古墳群では希少な副葬品が数多く出土しており、当時能美の地域一帯を納めた首長たちの特別な墓域であったと考えられています。
博物館では、能美古墳群国史跡指定記念として、里帰り展が開かれていました。和田山1・2号墳出土の六鈴鏡や鈴付銅釧などが展示されていました。
考古展示室では、土や鉄・木といったモノが作られた物質の違いで展示されていました。その中で、下開発茶臼山9号墳から200近くの櫛が出土していて、それらの一部が展示されていました。残っているとしても少量だろうと思われる木製の櫛なのに、十数個展示されていて、しかも良く残っていたのが少し羨ましく感じました。
民俗展示室では、能美市で昭和の頃まで使われていた道具が展示されていました。
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能美市立博物館 |
この数日間、北陸地方と中部地方の文化にどっぷりとつかることができました。畿内だけでなく他の地域にも目を向けて、幅広く勉強していきたいと思います。
こばやし