2015年3月16日月曜日

ゼミ旅行 in 群馬 1日目


 こんばんは

 3月12日から14日までゼミ旅行に行ってきました!3日ともよく晴れていて温かく、とても回りやすい日でした。

 1日目 3月12日(木)

 今回のゼミ旅行も様々な交通手段で現地に集合しました。

 そして、いち早く到着したグループでオプションとして高崎市の観音塚古墳を見学しに行きました。観音塚古墳は6世紀末から7世紀初めに築造された大型前方後円墳です。
 最初に後円部南に開く両袖式横穴式石室を見学しました。石室内は大きめの石のブロックが使われており、今まで私が見たものとは違うなと思いました。古墳を登ると周りの景色が見渡せて、古墳の大きさを実感できます!

観音塚古墳 石室

観音塚古墳

 次に観音塚考古資料館を訪れました。観音塚古墳から出土した国重要文化財の刀装具や杏葉などを見ました。私が気になった出土遺物は、銀装鶏冠頭大刀です。鶏冠のような形をした柄頭を持つ銀装鶏冠頭大刀は国内で5例しか発見されておらず、とても希少価値の高いものだと言われています。 群馬県にも中国や朝鮮半島から文化が伝わって来ていたのかなと思いました。

 さて、ここからが本番のゼミ旅行です!高崎駅で皆と合流して最初の目的地三ツ寺Ⅰ遺跡に向かいます。三ツ寺Ⅰ遺跡は5世紀後半から6世紀にかけて存在した豪族居館跡です。1981年に上越新幹線開発に伴う発掘調査で発見された大規模な館跡として注目されました。ここでは祭祀に関係する施設と思われる井戸や出土遺物も発見されています。

三ツ寺Ⅰ遺跡見学風景
  
榛名山二ッ岳

 次に保渡田古墳群に向かいました。保渡田古墳群は国指定史跡です。その中の保渡田八幡塚古墳と井出二子山古墳は復元整備がされていました。

 今回見学したのは保渡田八幡塚古墳のみです。八幡塚古墳は5世紀末に築造された前方後円墳です。築造当時のように葺石がびっしりと敷かれており遠くから見ても圧倒するほどでした。古墳には市民の人々の協力を得て作られた円筒埴輪がずらっと並べられており、当時の姿を正確に再現しています。後円部にある舟形石棺の埋葬状況も見学できるようになっています。

保渡田八幡塚古墳
舟形石棺
保渡田古墳群 埴輪
  今回も恒例の競走をやりました! 保渡田古墳群は整備されているためかとても良い競走場となりました。前回までは男性率の高かった競走ですが、今回は女性も参加しています!

みんなでダッシュ!

 そして、かみつけの里博物館を訪れました。常設展示室は薄暗く雰囲気のあるライティングでした。一気に古墳時代の中にタイムスリップしたような感覚に陥りました。展示内容としては当時の生活風景などが見られるようになっています。展示されている小さな人形たちがそれぞれ物語の語り部で、展示を見るだけで古墳時代の様子を知ることができます。ここでは三ツ寺Ⅰ遺跡の復元模型があり、詳しく三ツ寺Ⅰ遺跡の様子を知ることもできました。

 展示室の一角に埴輪が展示されていました。実物の埴輪をガラスケースに入れずに展示してあり、埴輪そのままを見ることができます。人物埴輪や円筒埴輪が多数展示されていましたが、近畿地方の埴輪と比べると少し小さいなと思いました。

かみつけの里博物館見学風景

 その後、上野国分寺館に移動しました。そこでは、国分寺を詳しく知るためのビデオを見せてもらったり、出土遺物を見ることができました。やはり、出土遺物の中でもっとも多かったものが瓦でした。軒丸瓦や軒平瓦がありました。軒丸瓦には花の模様がありましたが、今まで私が見てきた花とは違う、4弁の質素な作りでした。他にも地域の名前が掘られてある瓦がありました。ここには20分の1の大きさで復元された七重塔の模型が展示されています。当時、低い建物しかなかった時代にこんな大きな建物がいきなり建てられた時、人々はどんな思いでこの建物を見上げたんだろうなと感じました。

 見学後、外にある上野国分寺跡を見ました。国分寺は天平13年に建立が命じられて建設された寺院です。全国の国分寺の中でも最も早期に建てられたものと考えられています。復元されている金堂基壇と七重塔基壇を見学しました。

上野国分寺跡

 お寺を見た後もまたお寺と続きます。次に訪れたお寺は7世紀に創建されたと思われる山王廃寺です。ここでは石製鴟尾や蓮弁をかたどった根巻石など全国的に類例の少ない貴重なものが発見されいています。七堂伽藍を備えた壮大な寺院が建立されていたと推定され、本格的な伽藍を持つ初期寺院跡として重要視されています。

蓮華をかたどった根巻石
鴟尾は中国伝来の架空の動物で、火にあうと水を吹き雨を降らすとの伝説から防火上のまじないとして屋根の大棟の両端に付けられるようになりました。 根巻石は山王廃寺の五重塔の中心に据えられる柱の根元を7枚のハスの花びらで装飾したものと考えられています。また、塔心礎もありました。この上に心柱が立っていたと考えられ、山王廃寺の五重塔の基礎部分にあたります。柱のホゾ穴や、お釈迦様の骨を納める穴である舎利孔、環状の溝や十字溝が加工されていました。


石製鴟尾

塔心礎



 
そして、1日目の最終目的地となりました総社古墳群です。

宝塔山古墳 横口式石棺
初めに宝塔山古墳に向かいました。7世紀頃に築造された方墳で両袖式横穴式石室を持っています。ここでは安山岩製の脚部に格狭間を施す横口式家形石棺が埋葬されています。仏具のような石棺の脚部は、仏教がこの頃には群馬にも伝わっていたのかなと考えさせられるものとなっています。


 
蛇穴山古墳
次に訪れた蛇穴山古墳は7世紀末に築造された方墳です。両袖式横穴式石室を持ち、壁面には漆喰の塗布がありました。大きめの石のブロックが使われていました。ただ、石を積むだけでなく石に加工を加えているのが良く分かる造りとなっています。

 最後に総社二子山古墳に訪れました。6世紀末から7世紀初頭に築造された前方後円墳で、後円部と前方部両方に両袖式横穴式石室を持っています。残念ながら今は崩落の危険があるということで石室内を見学することはできませんでした。しかし、墳丘規模は全長90mと大きく、周辺地域を見渡すことができました。

二子山古墳
今回は関東地方の遺跡をじっくりと見学することができました。今まで近畿地域の遺跡を数多く見る機会があったため、関東の遺跡や埴輪はとても新鮮なものでした。

 こうして1日目のゼミ旅行は終了しました。明日からの2日目の濃いゼミ旅行の様子もお楽しみに!

こばやし

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