2016年3月16日水曜日

オプション



 こんにちは。
 研究室も新体制となり数日がたちますが、まだまだ先輩たちに頼ってばかりです。4月2日には新入生も入学してきます。気を引き締めていきます。

  さて、ゼミ旅行のオプションで青森県に行ってきました。ゼミ旅行を含め初めて足を踏み入れる県ばかりで、海外に行くようで新鮮でした。今年は例年に比べて雪が少ないとのことでしたが、京都より格段に寒かったです。

  一日目の最初に、実際に震災後の姿が見てみたいと学生の要望で海岸沿いに足をは運ぶことにしました。
 前日のゼミ旅行景色とうって変わって、住宅基盤の跡が広がっており、流れてきた大型タンクであろうものだったり、津波被害で錆びれた建物が建っていたり、震災から5年経ってやっと震災の爪痕を目の当たりにしました。













 
  八戸市縄文学習館では、八戸市の是川遺跡の内に立地しています。是川遺跡周辺の発掘や保存に大きな功績を残した泉山兄弟による是川遺跡の歴史や概要について展示されています。八戸市風張遺跡の合掌土偶の復元品が展示してあります。

八戸市縄文学習館
 
 


 是川縄文館では、是川縄文館マスコットキャラクターの「いのるん」こと「八郎丸」と呼ばれている、国宝の合掌土偶をみてきました。この合掌土偶は、八戸市風張遺跡の竪穴式住居跡(縄文時代後期後半)から出土しました。座った状態で合掌する姿勢の土偶の完形品はこの合掌土偶が国内唯一です。
 合掌土偶の展示室前には、合掌土偶の履歴書たるものがあり、 学歴・経歴等に遊び心あふれた言葉が散りばめられツッコみどこと満載でした。その後、本物をみるとかわいらしくみえました。

是川縄文館にて

 
 
 八戸市博物館に行きました。私はここで一番気になったものがあります。それは、人面把手付土器です。把手部分に向き合うよう人面が4つ施されています。4人が手をつないで会話しているようにみえて、微笑ましくなりました。
 
人面把手付土器





 八戸市博物館に併設する史跡根城の広場に訪れました。
 ここは、建武元年(1334)に南部師行により築造され、現在は主殿を中心に鍛冶工房や馬屋、板蔵等が復原整備されています。主殿内部は、当時の儀式風景が再現されています。また、鍛冶工房や板蔵の内部にも入ることができます。

史跡根城の広場にて


 現在の弘前城は、100年ぶりの本丸石垣修理事業をおこなっている真っ最中です。工事終了まで10年かかりるそうです。石垣からは弘前市を一望すことができ、絶好の眺めでした。

弘前城にて



 弘前大学は、人文学部の上條信彦先生に展示室等の解説をしていいただきました。弘前大学は様々な学部がある特徴を生かして、農学・教育・科学・化学と考古学がタッグを組む共同プロジェクトをおこなっています。佐藤敏也氏による遺跡から出土した米のDNAから、現代の環境に対応する米をつくるといった研究をおこなっています。その他、学内の分析室にも案内していただき、考古学の幅広い研究領域を知ることができました。

弘前大学 展示室

 

  三内丸山遺跡は、皆さんがご存知の通りに日本を代表する縄文遺跡です。竪穴住居跡、掘立柱建物、環状配石墓、貯蔵墓、道路等が計画的に配置されています。また土偶約2000点が出土しており、これは日本最多の数になります。現在は、遺跡公園として整備されていましたが、まだ雪が積もっていたため、環状配石墓は見れませんでした。
 そして、三内丸山遺跡を含む北海道、青森県、岩手県及び秋田県の4道県は「北海道・北東北を中心とする縄文遺跡群」として、世界遺産登録を目指す取り組みを行っています。

雪化粧した三内丸山遺跡と一緒に



 明治大学博物館は、考古学専攻ができて以来、50年以上にわたる調査結果の成果が集結しています。展示品の90%が本物の出土品とのことで、考古部門の展示ブースとともに、明治大学の調査実績に感銘を受けました。


  京都にいると、西日本の遺跡を多くみてしまいがちになっていましたが、今回のゼミ旅行やオプションで、東日本の遺跡を実際に訪れることができ、濃い経験ができました。狭い視野だけの知識では、考古学は研究できないため、広い視野で研究ができるようにこれから考古学を学んでいこうと思います。

帰宅中の車窓から 岩手山

さかもと

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