3月14日(土) 晴天
群馬県は近年注目を浴びている県で、2日目に紹介した金井東裏遺跡(甲を着た古墳人)の発見、最近では大河ドラマ「花燃ゆ」後半の舞台として有名です。
さらに忘れてはいけないのが、2014年6月に世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」です。
最終目的地の「多胡碑」がある上信電鉄吉井駅から電車と徒歩合わせて30分ほどの距離にあります。これは行かないと!ということで元気がある研究室員でオプションとして見学してきました。
富岡製糸場の玄関口となるのは上州富岡駅。2014年にグッドデザイン賞を獲得した駅です。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」は富岡製糸場(富岡市)、高山社跡(藤岡市)、田島弥平旧宅(伊勢崎市)、荒船風穴(下仁田町)の4件から構成されています。
混んでいるかと思い行きましたが閉門30分前とういうことで人も少なくゆっくりと見学することができました。(その日の来場者数が2015年に入ってから最多だったようです。次の日に最多を再び更新しましたが。)
場内にはいると歴史の教科書に必ず登場する東繭倉庫のアーチ部分が目にはいります。ここには操業開始年の「明治五年」と刻まれた石がはめ込まれています。
東繭倉庫の反対側にもうひとつ西繭倉庫があり、東西の倉庫が中庭を挟んで並列しています。
中庭では大雪で倒壊した乾燥場の復元と場内全体の公開を行う為の史跡整備工事が行なわれていました。この整備には今後30年はかかるであろうとされています。
保存するだけでも大変なことだったのに、保存と公開の両立を図るのはさらに大変なことだと思いつつ見学しました。
さて次は東西の繭倉庫を繋ぐように建造されている「繰糸所」へ向かいました。
一言で表すと柱も何もない空間に自動繰糸機が並んでいる光景は圧巻です。
柱が一本もないキングポストトラス構造の繰糸所 |
自動繰糸機 |
残念ながら操業当時の機械ではないですが1987年に製糸場の操業が停止するまで稼働していた機械です。
また、富岡製糸場の特徴は建物にあります。
繭倉庫の建物は木骨レンガ造という方法で組まれた木造の骨組みに、これまた特徴的なフランス積というレンガ積の構造で築造されています。
大きさの違うレンガを並べることによって建物の強度が増すようです。また、当時はセメントがなかった為、漆喰をセメント替わりにしてレンガを積み重ねていました。
木骨レンガ造 |
フランス積 |
繰糸所 |
女工館 |
検査人館 |
明治政府の建てた官営工場で現存しているのは富岡製糸場だけです。現在は富岡市の所有ですが最後の民間企業だった片倉工業が操業停止から18年間、「売らない・貸さない・壊さない」を合言葉に富岡市に寄付するまで大切に保存してきました。
現在では、史跡(全体)、重要文化財(一部)、国宝(一部)、世界遺産に指定されています。
富岡市や地元住民にとっても富岡製糸場と歩んできた歴史があるのと、片倉工業のようにシルクの生産をする人にとって重要な場所だった富岡製糸場がその人たちの努力によって保存・活用されていることは本当にすごいことだと強く感じました。
この群馬のゼミ旅行は全体を通してすごく濃い充実した内容だったと思います。
さて、来年はどこへ行くのでしょうか!!
とみさん
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