こんにちは!
今年のゼミ旅行は3月10日から12日にかけて福島に行ってきました。
前日から向かう夜行バス組と当日集合の新幹線組が新白河駅に集合し、ゼミ旅行をスタートしました。
1日目 3月10日(木)
初日のはじめに訪れたところは、福島文化財センター白河館「まほろん」です。
ここでは、学芸員の方に案内していただきながら、企画展「縄文土器の年代‐その古さを読み解く‐」を見ました。放射線炭素年代測定と土器編年の比較についてなど、興味深いお話をお聞きしました。
また、バックヤードも見せていただき、そのとても広い一般収蔵庫に驚きました。収蔵庫の棚には遺物コンテナの落下防止ベルトが張られており、東日本大震災の時にはこのベルトのおかげで一つも遺物が落ちることはなかったそうです。
ここでは、遺物の研究や博物館でのお仕事について知ることができ、とても勉強になりました。
次に、白河小峰城へ行きました。
白河小峰城では、震災の際に崩れた石垣の積みなおし工事が行われていました。
石垣は7か所で約7000個の石が崩落したそうです。
驚いたことに、崩落した石一つ一つのカルテが作成されており、既に復元が終わった箇所では、その6割が崩れる前の位置に戻ったということです。
しかし、その石垣が崩落したことによって、今まで調査できなかった部分が調査できるという利点もあると知りました。
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白河城にて |
2日目 3月11日(金)
まずはじめに会津大塚山古墳に向かい、その後福島県立博物館へ行きました。
福島県立博物館では、学芸員の方に解説していただきながら通史の常設展を見ました。
続縄文文化の影響を受けたであろう、弥生時代後期の縄文を施した天王山式土器はとても興味深く、柔軟に周囲の文化を受け入れている様子を感じました。
東北と関東、北陸地方の間にある福島の歴史の特徴をよく見ることができました。
また、ちょうど震災から5年ということで、震災の企画展を行っていました。
私は福岡出身なのであまり地震の経験がなく、東日本大震災の規模などはニュースで見てもよくは分かりませんでしたが、実際に津波にのまれたポストや火事で溶けた街灯、避難場所の再現などをみると震災や避難生活の様子がひしひしと伝わってきました。
福島県立博物館を訪れた後、憩の館ほっとinやないづの縄文館に行きました。
縄文館では大きな深鉢や火炎土器を見ました。土器そのものにも感動しましたが、復元部分がとてもきれいで、その技術に驚きました。
その後、会津坂下町の方に案内していただき、亀ヶ森古墳、鎮守森古墳、陣ヶ峯城跡、杵ヶ森古墳、稲荷塚遺跡を巡りました。
各遺跡についての解説や、整備についてのお考えなどを教えていただきました。
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稲荷塚遺跡 |
3日目 3月12日(土)
午前中は西原廃寺と、国見町の方のご案内で阿津賀志山防塁と塚野目古墳群を巡りました。
阿津賀志山防塁では、実物の二重堀を見ることができました。阿津賀志山から約3.2㎞続いていると解説していただいて、その長さに驚きました。
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二重堀 |
午後からは、宮畑遺跡史跡公園「じょーもぴあ」に行きました。
展示の仕方が普通とは少し異なっていて、最初のフロアは縄文人の四季、奥は3つの生活に関する展示に分かれていました。
ここではじめに驚いたことは、 高床建物の柱穴が90cmもあったということです。外にあった復元建物の大きさにびっくりしました。
それから、アスファルトの展示はここで初めて目にしたので、強く印象に残っています。
また、上岡遺跡で出土した国重要文化財のしゃがむ土偶を見ることができました。図録や写真で見るものよりもだいぶ小さく感じました。
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じょーもぴあの復元高床式建物 |
ゼミ旅行の最後には、飯野民俗資料展示室へ行きました。
ここでは、和台遺跡から出土した遺物が元小学校の体育館いっぱいに収められていました。
縄文土器や石棒、土偶などの出土品を間近に見て触らせていただき、貴重な体験ができました。
三日間、天気も崩れなかったので遺跡や資料館を回りやすかったです。しかし、現地は想像よりも寒かったです。
一回生である私たちは、今回初めてゼミ旅行というものに参加して、一人では行かないような遠い地にある遺跡をたくさん見ました。
また、福島という土地の特徴を存分に感じることができ、現地の職員の方々にお話しをしていただいて、とても勉強になりました。
来年のゼミ旅行も是非参加したいです。
アトム・ふじなみ